Q&A
年末年始や年度末に備える廃棄物管理のポイントを教えてください。
年末年始や年度末になると、期末の在庫整理やオフィスの移転などで、普段と違う廃棄物が排出されることがあります。また、自社及び委託先の生産量変動、休業などが起こりやすい時期です。
今回は、慌ただしい年末年始や年度末に向けて、事前に準備しておくべき3つのポイントをご紹介します。
(※本記事は、2011年2月に執筆した記事を加筆・修正しています。)
1)イレギュラーに発生するスポット廃棄物への対応
現場の大掃除や工事などによって、普段は排出されない廃棄物が多くなる時期です。しかし、新しく発生した産業廃棄物の処理を行うためには、処理委託先の検討や契約書の締結、場合によっては事前協議や現地確認の実施など、長い時間がかかることも少なくありません。発生が予想される廃棄物を事前に把握して備えることが重要です。また、業界によってはこの時期の在庫確保のために、直前に増産することがあります。自社の生産計画や工事計画など、廃棄物の増量・スポット発生につながる予定を社内に確認して備えておきましょう。その際、発生した廃棄物の保管場所の確保や、フレコン・ドラム缶などの保管容器の確保を行うことも忘れてはいけないポイントです。
年末年始・年度末の発生が予想される廃棄物には以下のようなものがあります。
年末年始・年度末の発生が予想される廃棄物
工場 |
|
本社 |
|
倉庫 |
|
2)処理委託先の予定を事前にチェック
発生する廃棄物を確認した後に気を付けたいのが、委託先の確保です。処分会社・運搬会社に在庫処分などの突発的な対応依頼が入っていると、なかなか希望通りの搬出ができない場合も考えられます。なるべく早くサンプルやWDSを準備して、処理委託の希望を出しましょう。
また、年末年始は休業や営業時間の短縮、定期修理や設備工事に伴う搬入規制なども想定されます。年末年始の予定について、運搬会社や処理会社へ事前に問い合わせておきましょう。
3)いざという時の連絡網を用意
上記に従って事前準備を済ませたら、最後の仕上げに緊急連絡網をチェックしておきましょう。最新内容に更新はできていますか?年末年始は特に、普段連絡を取っている番号、担当者と連絡がつかない可能性も考えられます。有事に備えて会社の番号だけではなく、携帯電話番号も反映させておきましょう。
まとめ 発生しやすいリスクについて
特に注意したいのがスポット廃棄物への対応です。一つ間違えれば自社のブランドを傷つける事態となってしまう可能性があります。突発的に発生する廃棄物に対応する上で、起こりがちなリスクには次のようなものがあります。
- 契約締結が間に合わないまま出荷
→廃棄物処理法違反 - 慌てた運搬会社や処理会社が対象の廃棄物を間違えて運搬・処理
→事故の発生 - 時間が無いため、委託先の調査が不十分なまま委託
→不法投棄のリスク - 自治体の対応遅れ
→業務量急増で対応が遅れる可能性
年末年始・年度末に慌てないよう、発生する見込みのある廃棄物の量と種類を今から予想し、対応を業務予定に入れておく必要があります。また、契約書・許可証のチェックはいつも以上に確実に行ないましょう。
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執筆者プロフィール
石田 みずき (いしだ みずき)
アミタ株式会社
インテグレートグループ
カスタマーリレーションチーム
滋賀県立大学環境科学部を卒業後、アミタに入社。メールマガジンの発信、ウェブサイトの運営など、お役立ち情報の発信を担当。おしえて!アミタさんへの情熱は人一倍熱い。
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